水彩画を描くと紙がでこぼこする…を防ぐ・直す方法について解説 | 毎日水彩画

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水彩画を描くと紙がでこぼこする…を防ぐ・直す方法について解説

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水彩で水をたくさん使って絵を描くと、紙が「でこぼこ」になってしまうという経験をされたことがある方は少なくないと思います。

紙がヨレると絵が描きにくいですし、見た目もよくありませんよね。

今回は、水彩で紙がヨレる原因と、紙がでこぼこになるのを防ぐ方法&直す方法について解説します。

水彩で紙がヨレる原因は?



描き方にもよりますが、水彩絵の具で絵を描いて紙がでこぼこになってしまった経験がある方は少なくないと思います。

乾燥させても元のようにまっすぐの状態にはもどらず、せっかく描いた絵が残念な状態に…。

これ、なぜそうなるのかご存じでしょうか?



一般的な紙は、木材や綿などといった原料をもとに作られた「繊維」を繋ぎあわせて作られています。

細かい繊維が結合することによって、紙の形を成しているわけです。

製造過程でプレスしたり引っ張るといった加工が施されていますので、通常の状態では紙はきれいな平面です。



しかし紙がぬれると、ひとつひとつの繊維が水を含むことによって太くなったり、さまざまな方向に伸びます。

繊維自体の大きさが変わるのですから、当然紙の形もきれいな平面ではなくなり、 繊維の伸び方によって波打ったような形になってしまいます。

また繊維の間に水が入り込むことによって、繊維同士の結合がほどけてしまうことも。



一度伸びた繊維や、結合がほどけた繊維は、乾燥させても完全に元には戻りません。

水彩で絵を描くと紙がでこぼこになってしまうのは、水を含んで伸びた紙の繊維が、そのままの状態で乾いてしまうからです。

これが紙のヨレです。



紙がでこぼこしていると水彩で色付けするときに描きにくいですし、見た目にもよくありませんよね。

というわけで以降、紙がでこぼこになるのを防ぐ方法について解説します。

紙がでこぼこになるのを防ぐ方法について

水彩で紙がでこぼこになるのを防ぐ方法についてまとめました。

水張りをする

紙のヨレを防ぐのに一番確実な方法は、紙に「水張り」と呼ばれる作業を施すことです。

水張りとは、紙をたっぷりの水でぬらした上で、パネルにぴったりと張りつけてそのまま乾かす作業のこと。

・紙を水でぬらす
・パネルに張りつけて固定
・完全に乾かす
・乾いたら絵を描く
・絵を描いたらパネルから外す

という具合です。



パネルに貼り付けたら、紙が乾くまでそのまま放置してください。

完全に乾いたらそのままの状態で絵を描き、絵が完成したら水張りパネルから紙をはがします。

紙をはがす時はテープを無理にはがそうとするのではなく(多分きれいにとれません)、紙の四隅をカットしてはがすとよいでしょう。



本当にこれで紙がでこぼこにならないのか?ですが、前項でも説明したとおり、紙は水でぬらすと繊維が伸びます。

水張りでは、あらかじめ紙をぬらして繊維を伸ばした状態で乾かすことで、これ以上繊維が伸びないようにします。

そうすることで、水彩によって紙がでこぼこしてしまうを防ぐことができるというわけです。

実際、水張りを最初にきちんとしていれば、描いている時に多少紙にヨレが出ることはあっても、乾けば真っすぐの状態に戻ります。

特に水彩で水をたくさん使った描き方をするような場合には、水張りはかかせないといえるでしょう。




水張りに必要なものは以下のとおり。
水張りに必要な道具

・紙
・水張り用のパネル
・水張りテープ
・水を塗るための刷毛


水張り用のベニヤパネルや水張りテープは、画材店などに売られています。

パネルは画材店のモノでなくても、紙を貼り付けられるサイズのパネルなら何でも構いませんが、長時間湿った状態でも反らないものを選んでください。 水張りテープは、水をつけると粘着力が出るタイプのテープで、湿気にかなり弱いです。

湿気の多い場所に置いておくと、テープが丸ごと固まってしまって使えなくなる恐れもあるため、使わないときは密封袋などに収納しておくことをおすすめします。



あと水張りをする場合は、丈夫な紙を使うこと。

一般的な水彩紙であれば問題ないとは思いますが、水張りでは紙の繊維に多少の負担がかかるため、耐久性の低い紙だと破れてしまうことがあります。

なので、ある程度厚みがある水彩紙を用いるようにしましょう。

ブロックタイプの水彩紙を使う

紙のヨレを確実に防ぎたいのであれば、先に説明した「水張り」を行うべきですが、 水張りは紙が乾くまでに時間がかかるため、結構面倒です。

水張りを行うのが面倒な方は、以下のようなブロックタイプの水彩紙を使うというのもありでしょう。



ブロックタイプの水彩紙とは、数十枚程度の紙の四方を糊で固めることで、ブロック状にした水彩紙のこと。

紙の側面が固定されているため、ある程度水を多く使ったとしても紙がヨレにくいという特長があります。

このタイプの紙なら水張りは必要ありません。

私自身も水張りは面倒なので、それほど大きくないサイズの作品を描くときは、ブロックタイプの水彩紙を使うことが多いです。



難点は、水を多く使った描き方をすると多少ヨレが出ること、 また同じく水を沢山使うと、紙の繊維が伸び縮みする力によって側面の糊がはがれることがあります。

側面の糊がはがれると紙がヨレてしまうので、その場合はマスキングテープなどで止めるとよいでしょう。

いずれにせよ、水をたくさん使うときやサイズの大きい作品を描くときは、水張りを行うことをおススメします。

厚みのある水彩紙を使う

紙のヨレを防ぎたいのであれば、厚みのある水彩紙を利用しましょう。

水彩紙の厚みは薄口、厚口といった具合に表現される場合もありますが、 多くは150g、190g、300g…といった具合にグラムで表記されています。



これは1平方メートルあたりの紙の重量を指すもので、 この数値が大きいほど紙が厚いことを意味しています。

できるだけ紙のでこぼこを防ぎたいのであれば、300g以上の水彩紙を使うようにしましょう。

厚みのある水彩紙はお値段が高めですが、描いている傍からでこぼこしてこないので描きやすいはずです。

水張りができない紙の場合は

ノート状に紙が連なったスケッチブックなど、水張りをするのが難しい紙を使って絵を描くときもありますよね。

しかし何もしないで水彩を使うと、紙がヨレてでこぼこになってしまう恐れがあります。

そんな場合は、スケッチブックのすべての側面をマスキングテープで固定してみてください。



どのようなスケッチブックを利用するのかにもよりますが、マスキングテープはある程度幅のあるものを使うことをおすすめします。

100均にあるような、養生用のマスキングテープでOKです。



マスキングテープで留めることで、ブロックタイプの水彩紙と同じように側面が固定されるため、 水彩を使っても大きくヨレません。

描いている最中は多少でこぼこしますが、固定していない時よりはマシですし、何より描きやすいです。

水彩画を描き終わったら、完全に乾くまで待ってからマスキングテープをめくって一番上の絵をはがし、 再度マスキングテープを貼る…といった具合に、テープは粘着力がなくなるまで再利用できます。

水張りができない紙を利用するときに試してみてください。

でこぼこになった紙を平らに直す方法はある?

ここまで、紙のでこぼこを防ぐ方法について解説しましたが、 すでにでこぼこになってしまった水彩画を、平らな状態に戻したいという方もおられるかもしれません。

そのような方は以下を試してみてください、。

1. 水彩画の紙の裏面に水をぬり、全体を軽く湿らす

2. ぬらした紙を2枚のパネルに挟み、上に重しを置いて一番放置する

上記のようにすることで、すでについてしまった紙のでこぼことした癖の大半をとることができます。



注意点としては、完全に紙をまっすぐに伸ばせるわけではないことと、 紙についたでこぼこのクセが強い場合、上記の方法を実践することで紙にしわがよる可能性があります。

あと紙を水で濡らしすぎると、水彩画の色がにじんだり溶けてしまう恐れがあるため、 大切な作品では実践しないほうが良いでしょう。

とはいえ、この方法は私も何度も試していますが、とりあえず見られるくらいには紙をまっすぐにできます。

手元にでこぼこの水彩画がある…という方は、試されてみてはいかがでしょうか。


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